1. HOME
  2. ブログ
  3. 新規開拓
  4. 予実管理とは?予実管理の意味や目的、予実管理表を用いた予実管理の方法も解説

新規開拓ノウハウ

新規開拓に役立つ情報を掲載中

新規開拓

予実管理とは?予実管理の意味や目的、予実管理表を用いた予実管理の方法も解説

予実管理とは?予実管理の意味や目的、予実管理表を用いた予実管理の方法をわかりやすく解説

予実管理とは何なのか?経営層のみでなく会社から予算を配分されている各部署のマネージャーや営業部門、マーケティング部門でも理解しておく必要があります。 本記事では、予実管理の意味や目的だけでなく予実管理表を用いた予実管理の方法についてもわかりやすく解説いたします。 記事の最後で予実管理表のサンプルを無料ダウンロードできます。

予実管理とは、予算と実績の差額を把握して、それをもとに今後の業務改善などにつなげるための管理手法です。「予算実績管理」を略した言い方になります。 予実管理は、経営層が会社全体の数字を使って行うイメージがありますが、経営層だけでなく会社から予算を配分されている各部署全てで必要になります。現場では原則として決められた予算をもとにして、できる限りの実績を出すように努力する必要があるからです。 経営管理をメインの業務としていない営業部門、マーケティング部門でも、各部署内の予実管理は必要かつ今後の活動に有効です。営業部門では売上の数字を管理し、予算を達成しているか、達成するにはどうするかを数値で把握し、原因を追及します。マーケティング部門では主に売上拡大のための手段となる広告費用等を管理し、自社で最も効果的と考えられる配分で予算を割り振り、実績との差額を管理していくことになるでしょう。

予実管理の実施内容は、主に以下のとおりです。

1.予算を作成する
2.管理したい項目を選ぶ
3.月ごとに予算を割り振る
4.実績を集計し、予算との差額、予算比を計算する
5.差額の原因を分析し、今後の対策を考える
6.可能であれば前年との比較も行う

1.予算を作成する
多くの場合、経営層が売上の目標を決め、今ある資源の中で最も効果的に達成できるように費用を配分します。 どのような製品を販売していきたいか、価格をどうするか、そのためにどのようなコストをどのくらいかけるべきか、といった会社の基本的な方針を決めるのは経営層の大切な仕事です。 ただし、予算はトップが独断で策定するのではなく、現場のリーダーを含めて協議をすることも大切です。さらに、予算をどう策定したかを、現場に周知しましょう。進むべき目標とその根拠を社員全体で共有しないと、モチベーションがあがりません。

2.管理したい項目を選ぶ
予実管理の目的のひとつは、予算と実績の差額を把握・分析して、今後の業務をより効率的かつ効果的に行うことです。 このため予実管理をする項目は、自社内で管理をすることで将来の行動につなげられる項目を選ぶとよいでしょう。あまり項目を増やしすぎると管理が煩雑になるため、注意が必要です。

3.月ごとに予算を割り振る
予算は年間、またはプロジェクトが行われる期間でまとまって割り振られていることがあります。 この場合、予算を月ごとに割り振ります。なぜなら予実管理では、最低でもひと月ごとのデータを確認することが効果的だからです。予実管理はなるべくリアルタイムに行うことが効果的ですが、あまり頻繁だと事務作業の手間もあるため、月次での管理が望ましいでしょう。

4.実績を集計し、予算との差額、予算比を計算する
ひと月が経過したら実績を集計して、予算との差額、予算比を計算します。単純な計算なので、エクセルなどの計算式に当てはめるだけで簡単に計算ができます。 ただし、集計するにあたって厳密になりすぎないように注意しましょう。項目間でしっかりと按分の手間をかけるなど、予実管理のための事務作業に時間をかけすぎる必要はありません。あくまで意思決定のための基礎資料であるため、より効率的に数字を集計できるように工夫しましょう。

5.差額の原因を分析し、今後の対策を考える
予算と実績の差額について、理由を分析したうえで、今後の対策・方針を考えます。予実管理の数字を作成しても、ここをしっかりとやらなければ意味がありません。問題点を把握して今後の対策をたて、次回以降の予実管理でその結果を確認していくことになります。

6.可能であれば前年との比較も行う
間接部門など、毎期継続的に動いている部分については、予算だけでなく前年との比較をすることも管理上有効です。

予実管理の意味や目的

予実管理を行う意味・目的は、主に以下の4点です。

1.実績と予算を比較した表を「見える化」して、数字として状況を整理する
2.予算達成に向けて軌道修正する
3.施策の効果の検証や問題点の把握を行う
4.社内、社外の説明資料とできる

1.実績と予算を比較した表を「見える化」して、数字として状況を整理する
予実管理の目的のひとつとして「見える化」があります。予実管理をしていないと、なんとなく業績が悪い、費用がかかりすぎている、といった漫然な理解だけになりがちです。 そこで、管理すべき項目に分けて予算と実績を「数値」として比較することで、現状・成果が見えやすくなります。例えば費用面では、いくら予算をオーバーしてしまっているのか、A費用がかかりすぎているがB費用はまったく予算を使っていない、などの状況が数字として明確になり、状況が整理できます。

2.予算達成に向けて軌道修正する
会社は、原則として予算通りに進むことを前提としています。このため、まずは予算に対して実績がどの程度乖離しているかを把握し、予算に近づけるように今後の予定を軌道修正します。 費用が予算よりもかかりすぎていれば今後は抑えられるか検討する、売上が予算未達であれば達成までの行動を考えていく、といった方向性になるでしょう。

3.問題点の把握や施策の効果の検証を行う
予実管理では、予算と実績の差額を計算し、原因を分析します。その結果を見て、問題点を把握したり、以前行った施策の効果を検証したりしていきます。 今後の方針として、多くの場合では2で述べたように、今後予算に収まるような施策を決めていくことになるでしょう。しかし、予算通りに終わることが最も成果をあげられる手段とは限りません。例えば費用面を考えると、そもそも予算不足ではないか、もしくは余っていないかなどを検討し、予算の軌道修正を行うことも必要です。予算の配分を変えることも考えられるでしょう。 予実管理を行うと、その都度、成果を効率的、効果的にあげるための対策を検討する機会となります。

4.社内、社外の説明資料とできる
予実管理の資料は、予算と実績の両方が比較して記載されています。このため、社内・社外どちらにおいても、業績の説明や、計画の説明、今後の業績予測の説明などさまざまな機会において、根拠資料にできます。

\ まずはお気軽にご相談ください /

予実管理表を用いた予実管理の方法

では実際に予実管理の方法を、エクセルの予実管理表を用いて見てみましょう。

予実管理のためのツールにはさまざまなものがあります。しかし、エクセルを利用した管理表だけでも、予算実績管理の基礎的なところは実施可能です。ここでは一例として、マーケティングに関係する費用を現場で予実管理するケースを、実際にエクセルで予実管理表を作り、過程をみていきます。

エクセルで予実管理表を作ろう

予実管理のための基礎資料を作成するために、最低限必要な情報は以下の通りです。

1.管理する項目
2.予算と実績の月ごとの金額
3.予算と実績の月ごとの差額、予算比(進捗率)
4.予算と実績の累計ベースの金額、累計ベースでの差額

実際にエクセルで予実管理表を作ってみましょう。この例でご紹介するエクセルは、こちらから確認できます。

1.管理する項目
まずは管理したい項目を決めます。この例ではマーケティングに関係する費用を予実管理することとし、以下の項目を抽出しました。

■ツール  
・MAツール  
・SFAツール  
・CRMツール  
・SEOランキングチェックツール  
・クリエイティブツール  

■アウトソーシング  
・ライター  
・デザイナー  
・エンジニア

■有料広告  
・Google広告  
・Yahoo広告  
・Googleディスプレイ広告  
・Yahooディスプレイ広告  
・Facebook広告  
・Instagram広告  
・Twitter広告  
・LINE広告  
・アフィリエイト広告

■広報  
・プレスリリースサービス  
・メディア対応  
・イベント出展

■その他  
・人件費  
・備品  
・その他の経費

まずは、項目をエクセルに入力します。

2.予算と実績の月ごとの金額
予算と実績を月ごとに入力できる欄を作成します。 欄を作成したら、月ごとの予算を入力していきましょう。予算は先まで決まっていることが多いため、先の月まで全て入力しておきます。

3.予算と実績の月ごとの差額、予算比(進捗率)
予算と実績の差額を計算する欄と、予算比(進捗率)を計算する欄を作成し、計算式を入力します。計算式をコピーすれば、自動で計算されます。 1~3の部分について、エクセルのサンプルは以下のとおりです。

EXCELのサンプル

4.予算と実績の累計ベースの金額、累計ベースでの差額
月ごとの管理も大切ですが、進行するにあたり累計ベースでの管理も大切です。月次の数字を合計する欄を設けて、エクセルで数式を入力しておきましょう。 エクセルのサンプルは以下のとおりです。

EXCELのサンプル2

累計部分は月次の合計なので、数式さえ入れておけば自動で計算してくれます。 数字の比較だけでもよいですが、グラフがあると視覚的にも見やすいです。 月次での比較は棒グラフがわかりやすいでしょう。予算に対して実績がどの程度使用したのか、各月ごとにグラフで比較できます。

EXCELのサンプル3

累計の金額は、折れ線グラフで確認するとわかりやすいです。累計で予算に到達しているかどうか、一目で確認できます。

EXCELのサンプル4

ただし、グラフは視覚的に全体の状況をざっくりと把握するにはわかりやすいですが、差額の数値を正確に把握するにはしっかり「数字」で確認する必要があります。

エクセルの予実管理表で予実管理

このようにエクセルで簡単に予実管理表を作成でき、ここにある情報だけで基本的な予実管理が行えます。 エクセルには数式が入っているため、予算の数字と実績の数字を月ごとに入力するだけです。グラフも連動しているため、特に入力の必要はありません。 予算と実績の差額を数値化するだけで、予実管理の主要な目的である「差額の原因を把握した上で現時点での問題点を把握し、改善のための施策を検討する」ことが可能です。このような基礎的なエクセルだけでも、予実管理ができるのです。

専用のシステムを導入すれば、自動計算やグラフの作成だけでなく、入力作業が簡素化されるなどのメリットは多くあります。しかし、導入コストがかかります。 エクセルであればコストがかからず、基本的な機能は自作可能です。むしろエクセルでは、システムでは簡単に変更できないようなことも、自社が管理したいと思う方法で自由にカスタマイズができるともいえます。管理したい項目を変更する、見たい数字を数式で挿入する、わかりやすいグラフを作成する、などの需要に簡単に対応できます。 経営層が行う予実分析では、さらに管理したい数字や指標が増え、またその会社によって管理したい数字が異なってくるでしょう。エクセルは自由にカスタマイズできるため、独自の管理方法を取りたい場合には特に便利です。

まとめ

予実管理の意味や目的、予実管理表を用いた予実管理の方法について解説しました。 予実管理は、予算(目標)と実績を比較することで問題点を把握し、今後の活動をより効果的かつ効率的に行うための対策を練ることができます。経営層だけでなく、予算が配分されている全ての部署で必要かつ有効です。管理部門ではなくとも、内容を把握しておきましょう。

予実管理をする際には、特に以下の点に注意点しましょう。

・予実管理の資料をあまり綿密に作りすぎないこと
 事務作業の手間が増えすぎてしまいます。

・「問題点を把握し今後の対策を検討する」という本来の目的を果たせるような資料を作成すること
 管理する項目をしっかりと検討して、今後の行動につなげられるような資料を作りましょう。

・資料を作るだけで終わりにしないこと
 何のために予実管理の資料を作るのか、本来の目的を見失わないようにしましょう。

資料作りの参考として、今回ご紹介したエクセルがお役に立つと幸いです。

予実管理表のサンプル無料ダウンロード

関連記事