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【新規事業成功体験談】新規事業の成功要因は「想いと行動」にあり

【新規事業成功体験談】新規事業の成功要因は「想いと行動」にあり

変化の激しい現代において、市場や顧客ニーズは急速に変わるため、既存ビジネスが成功していたとしても、積極的に新規事業を立ち上げなければなりません。 しかし、新規事業の立ち上げは、多くの予算や人材を持っている大企業でも成功させることは難しいものです。

本記事では、エスエスビジネスフォーム株式会社 代表取締役 酒井 雅志の実体験をもとに、新規事業を成功させるための要素やポイントなどを詳しく解説いたします。 新規事業に対する意識変化や、今後の行動に大きな学びを得ることができれば幸いです。

私自身、印刷会社を経営している中小企業の経営者ですが、これまでいくつかの新規事業を立ち上げて成功してきた経験があります。 そんな中、新規事業単体で黒字化という成功を目指すのであれば「何を売るか」が30%、「どうやって売るか」という手法が70%でどうやって売るかを重視することで黒字化ができると考えています。 それは単体の黒字化であれば、マーケティング力や経営戦略力がある程度あれば黒字化できるためです。

しかし、新規事業を自社の中核事業として育てていくためには、事業に対する「想い」や「行動」が必要不可欠でしょう。 ここでいう想いというのは、何のためにその事業をやるのか、その事業をしてどんなことを将来的に実現していきたいのかを強くイメージして「何がなんでもそれを実現するんだ」という強固な想いのことをいいます。 事業を成功させたい!という強い思いこそが行動量や地道な努力に繋がり、結果的に事業の成功の可能性が生まれてくると考えています。

もちろん、想いや行動だけでは事業が成功するのかというとそうではありません。 個人的には、何を売るのかが20%、どうやって売るのかが40%、想いや行動が40%だと考え、これら3つの要素をうまく調整し、マーケティング要素を取り入れながら新規事業を考えることができれば事業成功の近道となるでしょう。

何を売るかは重要な要素ではないのか

新規事業で成功するためには、何を売るかが重要な要素であることは間違いありません。
しかし、既に同じような商品やサービスが市場に出回っている昨今においては、商品の差別化だけでは成功は難しいと考えられます。

理由として一時的に差別化を図れたとしても、ネットが普及して多くの情報が飛び交う現在だとすぐに競合に真似をされたり、より精度の高い商品を作成されたりするリスクが考えられます。 それに差別化を図れても顧客のニーズを満たさないことには成功に繋がりません。 そのため新規事業の成功を目指す中小企業経営者は、何を売るかという要素はもちろん重視しつつも、差別化だけでは成功は難しいことを認識し、顧客のニーズを満たす商品やサービスを提供するための、想いと行動を大切にすることが重要です。 この想いの強さによって、そこから出る行動量の差から結果が大きく変わってしまうのです。

同じ商材でも想いが違うと結果が大きく変わる?

同じ商材を販売するにしても、想いが違うとなぜ事業成功が大きく変わるのか、実体験をもとに具体的なお話をしていきます。

■エスエスビジネスフォーム株式会社 代表取締役 酒井 雅志の実体験

私が印刷会社を始めた当初、新しい試みとしてインターネットを活用して印刷物の発注と仕事を受注する会社をマッチングする見積りポータルサイトを立ち上げました。 事業の仕組みとして、印刷物を発注したい会社や仕事を発注したい印刷業者が見積もり依頼をサイトに投稿して、登録している印刷業者が見積もりを提示するというものです。 私自身はサイトの管理者として印刷業者への見積りを把握できるようにしていました。 サイトの管理者として、他社の見積もり金額も把握できるためそれよりも安い金額で見積もりを提示して案件を得ることで最短で売上を伸ばすことができるだろうという見立てです。

ちょうどその頃に同じような取り組みをしていた企業が、大手印刷通販企業のラクスルさんです。 いち中小企業の経営者が、大手企業ラクスルさんの話を持ち出すのは大変おこがましいですが、 当初は同じ時期に同じマッチングサイトを運営していたことがありました。 その後の展開ですが、ラクスルさんは印刷通販を立ち上げて上場企業に成長しました。 一方で、私は設備的な制約や受注できる案件が限られ、結局、マッチングサイトも中途半端に終わり、会社は倒産寸前まで追い込まれました。 同じ商品で新規事業に取り組んで、一方は上場企業に成長して、もう一方は倒産寸前になるというのは、衝撃的に大きな差ですよね。 なぜそのような天と地の差が生まれたのかですが、もちろん商品設計から売り方、経営者の手腕に至るまで多くの要因が影響していると思います。

しかし、私がこの体験を通して一番教訓にしているのは、事業に対する「想い」の部分です。 当時のラクスルさんでは、新規事業を展開する際に「印刷業界の産業構造に変革をもたらす」という、明確なビジョンと経営設計をしてマッチングサイトを運営しておりました。 そのビジョンを実現させるための強い想いを持っていたと知りました。 一方の私は、そうした明確なビジョンや強い想いのようなものはなく、ただ上を向いてやろうという気持ちで姑息なことをして行動も起こしていませんでした。 同じ事業をやっていても、その想いやビジョンには雲泥の差がありました。 もちろん、その差だけが結果を左右したわけではないと思いますが、同じ商品を売っていても、一方は上場企業になり、もう一方は小さい町工場のまま倒産するというのが現実に起こり得ることなのです。

以上、私の実体験を踏まえて、結局のところ何を売るかということよりも、どうやって売るのかや事業に対する想いやビジョンが遥かに重要だということがご理解いただけたかと思います。 新規事業を展開する際は、何を売るかという自社商材の差別化に目をむけるというよりも、売り方やその商材で成し遂げたいことに重点を置くことが大切です。

まとめ

新規事業の立ち上げはハードルが高いと思われがちですが、実際には中小企業の半数以上が成功し、売上を伸ばすまで達成しています。 大切なのは何を売るかよりも、どうやって売るか、ビジョン、想い、そして行動です。 同じ商品でもアイデアややり方で結果が大きく変わります。 よくないと判断したアイデアでも成功できる可能性は十分にあります。

新規事業で重要なのは素晴らしいアイデアを1つ出すよりも、まあいいかなというアイデアをどんどん出し、検証し、ブラッシュアップし、テストすることです。 中核事業に成長させるためには、その事業をなぜやるのか、実現したいことは何かを強くイメージし、何が何でも実現する強固な想いを持つことが可能性を生み出す一番の近道になります。

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